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ビスキュイとは?美味しいレシピのポイントとジェノワーズとの違い

ビスケットの語源でもあるビスキュイは、スポンジ生地を指します。特に、卵を別立て(卵黄と卵白を別々に泡立てること)で作るものを指すことが一般的ですが、スポンジ生地全般を指す場合もあります。
軽くてふんわりした食感のビスキュイはクリームやフルーツとの相性も良く、さまざまな洋菓子に使用されていますが、特にティラミスやブッセ等に用いるのに適しています。また、焼菓子としてそのまま愉しむこともできます。そんなビスキュイの由来や作り方、魅力についてご紹介いたします。

ビスキュイとは?

ビスキュイ イメージ画像
ビスキュイの意味

「ビスキュイ」は、広い意味ではスポンジ生地全般のことを、狭い意味では別立て法で作られたスポンジ生地のことをいいます。正式名称をパータ・ビスキュイといいますが、パータとはフランス語で「生地」、「ペースト」を意味する言葉です。別立て法とは、卵黄と卵白を別々に泡立てる製菓技術のことで、一緒に泡立てる共立て法に比べて、ふんわりとした軽い食感に焼き上がるという特徴があります。ちなみに、共立て法で作ったスポンジ生地はパータ・ジェノワーズと呼ばれます。

ビスキュイはフランス語で、スペリングは「biscuit」とつづります。「bis」が「二度」、「cuit」が「焼く」を意味しており、ビスキュイの前身となる食べ物は軍隊用・航海用の保存食として使用されていました。二度焼くことによって水分量を少なくし、保存性を高めていたのです。イメージとしては日本の乾パンに近く、古代ローマ帝国の頃にはすでに存在していたとされています。
現在のようなお菓子の生地としての起源は、16世紀のフランスに遡ります。イタリアのメディチ家出身のカトリーヌ・ド・メディシスがフランスのアンリ2世のもとに嫁ぐ際に、マカロンやシャーベットなどとともにイタリアからフランスに持ち込んだといわれています。

ビスキュイとジェノワーズの違い

お菓子用のスポンジ生地にはビスキュイの他に、共立て法で作るジェノワーズがあります。「ジェノバ(イタリアの都市)風」という意味です。卵の泡立て方以外にも、材料・食感・焼き方・用途に違いがあります。

  • 材料…小麦粉・卵・砂糖は共通する材料ですが、ジェノワーズはこれにバターなどの油脂を加えます。ビスキュイには油脂を入れません。
  • 食感…ジェノワーズはきめが細かくしっとりしていますが、ビスキュイは気泡が多くふんわりした軽い食感になります
  • 焼き方…ジェノワーズは生地に流動性があるので、型に流し込んで焼きます。ビスキュイは生地が固く、絞り出して焼きます。
  • 用途…ジェノワーズは、ショートケーキやロールケーキなどしっとりした食感のスポンジ生地に向いており、ビスキュイはティラミスやブッセ等などに向いています。一般的なロールケーキに向いているのはジェノワーズですが、新鮮なフルーツをスポンジ生地で巻くフルーツロールには、ビスキュイをベースに柔らかく仕上げたスポンジ生地を使用します。

ただし、スポンジ生地全般のことをビスキュイと呼ぶこともあり、必ずしも明確に区別されているわけではありません。
また、ビスケットやクッキーなどの焼菓子をビスキュイと呼ぶこともあるため、注意が必要です。ビスキュイを棒状にして焼いたお菓子のことを「ビスキュイ・フィンガー」もしくは「ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール」といいますが、これを単に「ビスキュイ」と呼ぶこともあるので、このお菓子のことをビスキュイと認識されている方も多いかもしれません。キュイエールとはスプーンのことで、そのまま食べるだけでなく、アイスクリームに添えてアイスクリームをすくって食べることもあります。

他に、チョコレート(ガトー)を生地に混ぜ込んだチョコレートビスキュイや、アーモンドの粉末を加えて作ったビスキュイジョコンド、クリーム(クレーム)をビスキュイにサンドしたクレームビスキュイなどがパティスリーやカフェで販売されています。

ビスキュイのレシピ

ここでは、一般的なビスキュイのレシピと作り方についてご紹介します。

材料と必要な調理器具
◇材料◇
  • 卵…3個
  • 薄力粉(ホットケーキミックスでも代用可能)
    …40g
  • 砂糖…75g
  • 小麦粉(薄力粉) …75g

※好みや用途に応じて分量は調整してください。

◇器具◇
  • ボウル
  • 泡立て器
  • へら
  • 絞り出し袋(口金付き)
  • 茶漉し
作り方とポイント
  1. 卵を卵黄と卵白に分けます。
  2. 卵黄に砂糖を加えて白っぽくなるまですり混ぜます。このとき、砂糖を加えてからすぐに混ぜないとダマになりやすいので注意しましょう。
  3. 卵白を泡立ててメレンゲを作ります。角が立つくらいしっかりと泡立ててください。器具に水分が付着していると、きれいに泡立たないので注意してください。
  4. 2と3を合わせて小麦粉をふるいながら加え、へらを使って切るように混ぜます。混ぜすぎると固い食感になってしまいますので注意しましょう。
  5. 10~12ミリの丸口金を付けた絞り出し袋に生地を入れ、オーブンシートなどを敷いた天板の上に用途に合った大きさに絞り出します。
  6. 生地をオーブンで焼きます。目安は190度で12分ですが、分量に応じて調整しましょう。

定番のお菓子だからこそ、ビスキュイを使用したお菓子やケーキは非常にバリエーション豊富で、レシピも様々です。シンプルな材料で作れるので、分量を調整していろいろなレシピを試されると良いでしょう。

ビスキュイ生地を使ったお菓子

ホテルオークラ東京のビスキュイ・フィンガー(ビスキュイ・ア・ラ・キュイエール)は、まず卵白と砂糖でとてもしっかりとしたメレンゲを立てます。そのメレンゲの中に、あらかじめ溶いておいた卵黄を糸状に細くして加えながら混ぜ、そこに薄力粉を加えます。口金を付けた絞り袋で棒状に絞り出し、粉糖をたっぷりとかけてからオーブンに入れます。強火でさっと焼き上げると、表面がひび割れたような独特の表情に仕上がります。

シャルロット・フレーズ

セルクルリング(ステンレス製で底のない丸い型)の内側にビスキュイ・フィンガーを縦に並べておき、丸く円盤状に焼成したビスキュイを土台として置きます。いちごのムースを作り、セルクルリングの型に流し込みます。冷蔵庫で冷やして固めた後に型を外し、赤いリボンを巻いてビスキュイ・フィンガーが外れないようにします。規則的に突き出たビスキュイがデザインのアクセントとなります。

ティラミス

ティラミスに使用する場合もビスキュイ・フィンガーを選びます。ビスキュイ・フィンガーは、焼き上がった状態は少し硬めですが、水分を染み込ませても形状を保ちやすく、しかもエスプレッソコーヒーがたっぷり染み込みます。そのため、とても口どけの良い仕上がりになります。共立ての生地の場合、同じように染み込ませても口どけが悪く、クリーミーなティラミスと相性が悪いことから、別立て生地を使用するのがポイントです。

時代も場所も超えて愛されるビスキュイ

ビスキュイは、ケーキの生地や焼菓子として、幅広く利用されています。アメリカで名付けられた「スポンジ」という名称はどこか味気ない感じがしますが、16世紀のフランスに想いを馳せながらビスキュイのふんわりとした食感と味わいを愉しんでいただくと、より贅沢な時間が過ごせるのではないでしょうか?さまざまなケーキやお菓子と相性の良いビスキュイは、時代も場所も超えて、今日も世界中で愛されています。

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監修パティシエ

監修パティシエ

シェフパティシエ 中村 和史

1986年ホテルオークラ東京入社。以来、ホテルオークラ東京の洋菓子を支える。
シェフズガーデン カメリアに並ぶペストリーのほか、ダイニングカフェ カメリアご宴会ウェディングなど館内で提供される洋菓子全般を担当。
シェフパティシエ就任後は「伝統と革新」をテーマに、お客様に喜ばれる洋菓子を提供すべく、日々研鑽を重ねている。
趣味は野球観戦と、きれいな料理の盛り付け画像を探すこと。

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