オークラ・ペストリーの世界

カソナードの特徴と使い方
ほかの砂糖とは何が違う?

監修者プロフィール

監修

シェフパティシエ 中村 和史

1986年ホテルオークラ東京入社。以来、ホテルオークラ東京の洋菓子を支える。
シェフズガーデン カメリアに並ぶペストリーのほか、ダイニングカフェ カメリアご宴会ウェディングなど館内で提供される洋菓子全般を担当。
シェフパティシエ就任後は「伝統と革新」をテーマに、お客様に喜ばれる洋菓子を提供すべく、日々研鑽を重ねている。
趣味は野球観戦と、きれいな料理の盛り付け画像を探すこと。

あまり馴染みがないかもしれませんが、カソナードをご存知でしょうか。フランスのお菓子作りには欠かせない砂糖の一種で、ハチミツやバニラのようなコクのある独特の風味が特徴です。ご家庭でのお菓子作りを愉しむ際には、グラニュー糖や上白糖などを使用されることが多いかもしれませんが、レシピや仕上がりのイメージによって使用する甘味料を変えてみると、さらに楽しみが広がります。今回はカソナードの特徴や他の砂糖との違い、カソナードが適したデザートについてご紹介いたします。

カソナードの特徴

カソナード イメージ画像
カソナード(Cassonade)とは

カソナードとはサトウキビ100%のフランス生まれの茶色い砂糖のことです。ハチミツやバニラのような独特の香りと味わい深い甘さが特徴で、フランスのお菓子やスイーツを作る際には欠かせない砂糖です。
砂糖は、製造法によって含蜜糖と分蜜糖の二種類がありますが、カソナードは含蜜糖に分類されます。含蜜糖(カソナード、きび砂糖、てんさい糖など)は、糖蜜を結晶と分離せずに結晶化したものです。一方の分蜜糖(グラニュー糖、上白糖、白ざらめ糖など)は、ミネラル分などを取り除いて結晶だけを取り出したものです。
含蜜糖には独特の風味が含まれています。また、自然のミネラルを含んでいるので健康志向の方にも人気があります。

カソナードの製造方法

カソナードの原材料となるサトウキビは、インド洋に浮かぶフランス領の火山島やレユニオン島で収穫されます。レユニオン島の火山灰の土壌の性質や雨の多い気候がサトウキビ栽培に適しています。サトウキビの茎を圧搾した絞り汁を下処理後、遠心分離機を使って糖蜜とある程度分離してできた結晶(粗糖)がカソナードです。

他の砂糖とカソナードの違い

ブラウンシュガーとの違い

ブラウンシュガーは、特定の砂糖を指すわけではなく、茶色い砂糖に対する総称として用いられます。従って、本来の意味ではカソナードはブラウンシュガーの一種ということです。ただし、海外でブラウンシュガーといえばカソナードを指していることも多いです。

黒砂糖(黒糖)との違い

カソナードは、製造過程において結晶と糖蜜との分離をある程度おこないますが、黒砂糖(黒糖)はまったくおこないません。そのため、黒糖にはミネラルが多く含まれ、独特な風味もより濃くなります。

白砂糖(グラニュー糖、上白糖)との違い

白砂糖(グラニュー糖や上白糖)は、粗糖をさらに遠心分離器にかけたり濃縮したりするなどして糖蜜と分離させることで精製されます。
グラニュー糖も上白糖も白い砂糖ですが、比較するとグラニュー糖は粒が荒くてサラサラしています。反対に上白糖はしっとりとしています。クセの少なく溶けやすいグラニュー糖はお菓子作りやコーヒーに、オールマイティーな上白糖は料理に向いています。
精製によって、白砂糖はカソナードに見られるような独特の風味は残っていません。

三温糖との違い

三温糖は、グラニュー糖や上白糖を作った後の液を煮詰めて製造します。何度も加熱して製造するため、薄い茶色をしています。わずかに香ばしさはありますが、カソナードほどの風味はありません。煮物や照り焼きなどの料理に適しています。

きび砂糖との違い

カソナードときび砂糖は、どちらもサトウキビ100%の砂糖であるという共通点がありますが、製造方法が異なります。
カソナードが精製前の粗糖から作られるのに対して、きび砂糖は製造途中の糖液を煮詰めて製造します。カソナードの方が、より強くサトウキビ本来の風味を味わうことができます。

カソナードの使い方

クレームブリュレに使う

カソナードを使用する代表的なお菓子といえばクレームブリュレです。
表面のキャラメリゼを作るときに使用します。カスタードクリームの表面にカソナードをまぶしてバーナーで炙ります。カソナードには熱を加えると均一に溶ける性質があり、きれいにキャラメリゼを仕上げることができます。
手軽なスイーツ作りには、カラメルソースの代わりに焼きプリンの表面にいつものカソナードのキャラメリゼを作るのもおすすめです。

クッキーなど焼き菓子の食感を変える

カソナードを焼き菓子に混ぜ込むことで、クッキーなどの焼き菓子の食感を変化させることができます。カソナードは粒が粗いため、ザクザクした食感を与えてくれます。

飲み物やヨーグルトに入れる

カソナードの独特な風味やコクはアクセントとしても使用できます。コーヒーや紅茶などのドリンク、ヨーグルトなどの味を引き立ててくれます。

カソナードがないときはどうする

カソナードは輸入食品販売店やインターネットショップなどで購入できますが、食品スーパーなどでは置いていないことも多いため、「今すぐ使いたい」というときに入手困難な場合があります。そんな時には、他の砂糖で代用することができます。

  • 三温糖

    香ばしさではやや劣りますが、風味は最も近いです。

  • グラニュー糖

    熱を加えると均一に溶けるのでお菓子作りによく用いられます。クセの少ない分蜜糖のため、カソナードよりもあっさりした仕上がりになります。

  • バニラシュガー

    フレッシュなバニラビーンズを使用した後、残ったさやの部分を低温のオーブン等でしっかりと乾燥させてフードプロセッサーで粉砕し、粉上になった物と同量の粉糖を混ぜ合わせた後、ふるいにかけておきます。
    バニラの香りを纏う砂糖として、クリームの香り付けなどに使用します。高級なバニラですので、捨てる部分を極力なくしましょう。さらにフレッシュのバニラをそのままグラニュー糖に入れて密閉容器で保管する場合もあります。こちらは味より香りを重視した使い方です。

カソナードを使ってコクと風味豊かなお菓子づくりを

用途やお好みによって砂糖を使い分ければ、気軽に本格的なスイーツ作りが楽しめ、コーヒーや紅茶のバリエーションも広がります。
サトウキビ100%のカソナードは、ハチミツやバニラのような豊かなコクと風味が愉しめる砂糖です。クレームブリュレのキャラメリゼやクッキーをはじめ、フランスのお菓子作りには欠かせません。キャラメルを作る際、通常のグラニュー糖とは異なり、色の判断が難しいので、少量から始める事と、通常より吹き上がる量が多いので、より深めの鍋を使うなど注意が必要です。未開封の状態であれば長期保存できるので、ストックされてみてはいかがでしょうか。

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