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由緒あるDRCワインの歴史と生産ワインの特徴

世界中のワイン生産者がその香りや味わいを目標とし、世界中のワイン愛好家がその香りや味わいに魅了される。
そんな世界最高峰ともいわれるシャルドネとピノ・ノワールの聖地、フランス ブルゴーニュ。ロマネ・コンティ、モンラッシェ、エシェゾーといった名だたる特級畑とトッププロデューサーの共演は愛好家の心を掴んで離しません。
“Domaine de la Romanèe Conti”通称DRCは、その中でも一際輝く、憧れの的となる生産者といえます。ロマネ・コンティをはじめとした特級畑はもちろんのこと、いくつもの優れた畑を所有する、ワイン界のスーパースターの魅力に迫ってみましょう。

DRCワインとは

ワインイメージ画像

DRCはフランス ブルゴーニュ地方のヴォーヌ・ロマネ村に本拠を構え、世界で最高のワインを生産すると同時に世界で最も有名な生産者のひとつです。なぜ世界最高で世界で最も有名なのでしょうか。
彼らの造りだすワインはどれも素晴らしく、しかし生産量は総じて少量です。生産量が少ないということは、それを飲むことのできる消費者も自ずと限定されることを意味しています。
このようなタイプのワイン生産者は世界中に数多く存在しますが、彼らが世界最高と呼ばれる理由はおそらくワインの味わいや香りからだけではありません。彼らを最も有名たらしめているのは、彼らがロマネ・コンティという、常に世界で最も高い価格が付けられるワインを生む畑を単独所有しているからといっても過言ではないでしょう。

ロマネ・コンティの歴史

今でこそロマネ・コンティの所有者はDRCということが当たり前になっていますが、畑の歴史は中世にまでさかのぼります。
もともとサン・ヴィヴァン修道院が所有していたこの畑をクローネンブール家が購入。この際、この畑をラ・ロマネと名付けました。その後、1760年に競売にかけられ、ポンパドール夫人とコンティ公による所有権を巡った争いが起きた結果、コンティ公が畑を取得、ロマネ・コンティと名付けたのです。その後、この畑から生産されたワインはコンティ家でしか飲むことのできない最高級ワインへと成長しました。1789年、フランス革命により畑は差し押さえられ、名前の変更や細分化の危機に見舞われましたが、ロマネ・コンティの名は偉大だったため革命後も畑はそのまま維持されました。そして1794年、正式にロマネ・コンティと命名され現在に至ります。

DRCで生まれるワイン

ロマネ・コンティ

DRCが造る最高のワイン、つまり世界最高峰のピノ・ノワールから造られる赤ワイン。約1.8haの畑から生みだされる生産量は毎年わずか約5,500本。
非常に高額ですが、ここに世界からの需要が殺到します。

ラ・ターシュ

比較的広い畑ですが、こちらもDRCの単独所有。凶作の年でも美味しいワインで、品質の安定感が非常に高いのが特徴。
ロマネ・コンティをしのぐ年もあると言われるほど。

リシュブール

単独所有ではない特級畑の最高峰。良い年にはラ・ターシュと同じくらい美味しいと評価されています。

ロマネ・サン・ヴィヴァン

斜面下方の深い土から造られるピノ・ノワールは、他のDRCのワインに比べて軽い味わいが印象的。

グラン・エシェゾー

熟成されたワインを含むため、エシェゾーよりもかなり複雑な味わいを愉しめます。

エシェゾー

香りのボリュームと濃縮感があり、DRCの赤ワインの中ではカジュアルに愉しむことが出来ます。この畑の生産者は多数いますが、その中でもDRCは圧倒的に高い評価を得ています。グラン・エシェゾーとともに隣村のフラジェ・エシェゾー村に位置しています。

モンラッシェ

白ワインとしてはDRC唯一のコマーシャルプロダクション。シャルドネ100%のこの畑からは、世界で最も偉大な白ワインが生まれます。
畑は比較的広いものの、DRCの所有する部分は極めて小さく生産量は非常に少量。この他、コルトンの赤ワインも少量ではあるが生産しています。

ホテルオークラ東京が考えるDRCワイン

ホテルオークラ東京が考えるDRCワインとは、コルクを抜くとき、グラスに注ぐとき、実際に飲むとき、段階を追って胸が高鳴るような高揚感を感じさせてくれるワインです。そこまでの高揚感を与えてくれることが、DRCワインの大きな特徴ではないでしょうか。
オークラのソムリエとはいえ、開ける機会は滅多にないワインのため、ワインの特徴などと軽く口にするのもはばかられますが、DRCワインに共通していえることは、緊張感があるということ。サービスを担う私たちソムリエにも、またワイン自体の味わいにもピンと張った緊張感が感じられます。少量生産、高品質というスタイルは多くの造り手が実践していることですが、このスタイルで世界中に広く認知されているのは恐らくDRCだけではないでしょうか。この高揚感と緊張感こそがDRC最大の特徴だと考えています。
ホテルオークラ東京では、ワインリストに載っているアイテムから熟成中のアイテムまでを含めると、すべてのDRCワインをストックしています。DRCは畑の格付けも最高なら、プロデューサーとしてのランクもトップクラス。それぞれのワインの本数も多くなく、時として驚くような価格がついていたりもしますので、お客様からすれば飲む機会、私たちソムリエからすれば開ける機会はあまりないかもしれません。だからこそ、もしもDRCワインに出合えた時には、造り手や畑に想いを巡らせ、心から愉しんでいただきたいと思います。そのお気持ちに応えるため、私たちソムリエはワインの魅力を最大限に引き出します。

DRCとロマネ・コンティ

世界最大のワイン検索サイト、ワインサーチャーによれば世界で最も検索されているブルゴーニュワインはロマネ・コンティで、以下、トップ10の内7銘柄をDRCワインが占めると言います。ロマネ・コンティの1915年までさかのぼる68ヴィンテージの平均価格は14,796ドルだというから驚きです。
世界一高額でも世界一求められているワイン、ロマネ・コンティ。そんなロマネ・コンティを含む世界最高のワインを造りだすワインメーカー、DRC。
ロマネ・コンティとDRCは、世界中のワイン愛好家にとって夢のような存在といっても過言ではないでしょう。

(ソムリエ 大出 剛広)

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