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ミュスカデの特徴とは?

執筆者プロフィール

ソムリエ 上原 真

オーキッドルームソムリエを経て、本館閉館後は桃花林ソムリエに。
日本ワインに詳しく、ワインアカデミーでは日本ワイン講師も務める。

ワイン王国フランスには数多くのワイン産地がありますが、その中の一つにロワール渓谷地方があります。長さ1,000㎞のロワール川沿いには古城も多くあり、観光に訪れる日本人も多い大変魅力的なスポットです。今回は、ロワールワインの品種のひとつであるミュスカデについて話をしていきたいと思います。

ミュスカデとは

ワインイメージ画像

フランス・ロワール渓谷地方にある4つのワイン産地のうち、最も河口寄りに位置するペイ・ナンテ地区で生産されるAOCワインです。ロワール川の河口に近いナント市を中心に、ミュスカデの一大産地が広がっています。栽培面積は1.3万ha、年間生産量は約70万hl(1ヘクトリットル=100リットル)です。ミュスカデは極辛口の白ワインで、醸造終了後に滓(おり)を引かないシュール・リー製法で造られるものが多いです。ややグリーンがかった淡いイエローの色味に、フレッシュな柑橘系の香りを持ち、爽やかではつらつとした酸の味わいが感じられる軽快な口当たりが特徴です。ペイ・ナンテ地区では、1世紀にはぶどう畑の存在が確認されており、6世紀には都市の近郊にぶどう畑が存在していたことが記されています。その後アウグィヌス会とベネディクト会の修道院がぶどう栽培を確立しています。
当時は陸路よりも水路の方が安全に運搬できたこともあり、水運の要衝であったこの土地のロワールワインが発展していきました。使用されるぶどう品種である「ミュスカデ」は、「ムロン・ド・ブルゴーニュ」とも呼ばれており、名前のとおりブルゴーニュ原産の品種です。1709年頃に厳しい寒波がこの地区を襲った際にブルゴーニュ地方より修道院を通して持ち込まれました。その後1935年のAOC法制定時にはAOCワインとして認定されます。

シュール・リー製法(sur lie)とは

ミュスカデを語る上で重要なキーワードのひとつにシュール・リー製法があります。「シュール・リー」というのは「滓の上」という意味で、ワインのアルコール発酵によって生成される酵母などの沈殿物を取り除くことなく、そのままワインの中に静置しておくことを指します。沈殿した酵母からアミノ酸などの旨味成分が溶け出し、ワインに豊かな味わいを与えるとされています。AOCミュスカデの規定では、アルコール発酵後、最短でも収穫の翌年の3月1日まで保存されなければなりません。発酵槽または樽内でひと冬の間保存され、瓶詰めされる段階まで滓引きせずに保存されることになります。その後瓶詰めされると極辛口のフレッシュで軽やかなワインに仕上がります。この製法は、日本の甲州ワインにもよく使われる製法です。

ミュスカデのAOCワイン

ミュスカデ以外のAOCワインにミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メーヌ、ミュスカデ・コート・ド・ラ・ロワールとミュスカデ・コート・ド・グランリューがあります。
このうち、生産量が最も多いのはミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メーヌです。このワインは、軽くて飲みやすいので仲間内でのピクニックやバーベキューなどで飲むには最も適しているといえます。ワインクーラーで冷やして飲むと軽快な口当たりが愉しめ、とても飲みやすく飲み疲れを感じないので、愉しい会をより一層引き立ててくれるでしょう。
ミュスカデ・コート・ド・ラ・ロワールは、ナント市の北東部に広がり、他のミュスカデの産地よりも標高が高く生き生きとしたワインを生み出します。特にこのワインはヴィンテージの影響を受けやすく、冷涼な年には強く酸を感じ、温暖な年は実が熟すことで酸と果実味のバランスが理想的になります。食事に合わせて飲む際は洋食は魚介料理、和食はお刺身や焼魚などと合わせていただくことをおすすめいたします。
ミュスカデ・コート・ド・グランリューは、1994年に認められた、ミュスカデの中では新しいAOCです。生産地はグランリュー湖の周辺に広がり、ぶどうの熟し方が早く、滑らかで豊かなアロマを感じるワインです。このワインもレストランで食事に合わせて飲みたいワインですが、豊かなアロマが特徴のワインだけに、ワインバーもしくはご自宅でゆっくりとアロマを愉しむのも良いかもしれません。

ミュスカデに合う料理

これらのワインに共通することは、最適な提供温度が低く、酸味を心地よく愉しめるワインということです。例えば、蒸した野菜(ブロッコリー、カリフラワー、人参、ほうれん草、レンコンなどの根菜)を塩・マヨネーズ・豆味噌をつけて食べてみたり、ほたてや鮪や鮎などの魚を網焼きや塩焼きにして合わせたり、チーズであれば軽めのタイプや山羊のシェーブルチーズなどがおすすめです。肉料理では、鶏肉をおすすめいたします。水炊き、棒棒鶏や鶏肉のローストなどが最もよく合うでしょう。

まとめ

ミュスカデは、ロワール地方を代表するワインでありながらも、比較的お値段も手頃で入手しやすいワインです。とても飲みやすいため、ご家庭でも気軽に愉しむことができ、ワインを飲み始めるにはとても適したワインといえます。ぜひ一度試してみてください。

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