ワインの引き出し

 

ピノ・ノワール

ワインはぶどうを原料として造られる醸造酒ですが、一概にワインといってもその味わいは多種多様であり、一言ではとても語りつくせません。味わいのバリエーションを生む理由は原料となるぶどうの生育環境の違いや醸造方法、熟成期間の違いなどが挙げられますが、最大の要因は原料となるぶどう品種の違いにあるでしょう。穀物由来の酒はデンプン質を糖化して発酵させますが、ぶどうには発酵に必要なぶどう糖や果糖がすでに含まれているため、糖化させる必要がありません。そして醸造時に加水されることもないため、ワインは原料となるぶどうの特性がそのまま色濃く反映されることとなります。
ワインに用いられるぶどうは欧・中東系種を中心に約5,000品種も存在するそうですが、嗜好の変化で需要がなくなったり、病害虫の被害で消滅したり、栽培が困難だったりといった数々の事情から実際にワインの原料として現在栽培されている主要品種はおよそ100品種ほどです。そのなかでも人々を魅了し記憶に残る偉大なワインを生むぶどう品種はほんの一握り。それらの選ばれしぶどう品種は人々の感動や熱狂とともに山を越え海を渡り、さまざまな地域で栽培が試みられてきました。白ワインならアレクサンドル・デュマに「ひざまずき、脱帽して飲むべし」と称賛されたモンラッシェというワインを生む白ぶどう品種、シャルドネが王の座に相応しいでしょう。
赤ワインならフランスの5大シャトーをはじめ世界各地できら星のように極上のワインを生みだす黒ぶどう品種カベルネ・ソーヴィニヨン、そしてフランスのブルゴーニュ地方に代表される黒ぶどう品種のピノ・ノワール、この2品種が双璧をなすのではないでしょうか。両雄は全く異なる特性と溢れる魅力があるため優劣はつけがたいのですが、カベルネ・ソーヴィニヨンはどこで誰に育てられても他を圧倒する揺るがない個性を感じるのに対して、ピノ・ノワールは親しみやすそうに見えてどこか気まぐれなところがあるように感じます。生育環境の違いに極めて敏感で大きく影響を受けやすいため、極上なものから凡庸なものまで品質の差が顕著に表れます。華やかな香りと穏やかな渋みの優しい味わいからワイン初心者向きとの声もありますが、知れば知るほど深まる世界に心を奪われ、抜け出しがたい悦びがあります。

ピノ・ノワールの特徴

ワインイメージ画像

ピノ・ノワールは早熟で湿気を嫌います。栽培に適しているのは比較的冷涼な気候で水捌けがよく、表土の厚い石灰質の土壌です。暑い気候の下では複雑な風味が生まれる前に果実が熟しすぎてしまい、単調な味わいしか得られません。このぶどうがもっとも真価を発揮できる場所はフランス、ブルゴーニュ地方のコート・ドールだと言われています。しかし天候不順や霜害などの影響で品質を大きく左右されるため、栽培は容易なことではありません。
ピノ・ノワールは小さな卵型球状の果粒が小ぶりな円筒状の房になっており、果皮は薄く青味を帯びた黒から深い紫色をしています。黒ぶどうの果皮には色素を構成するアントシアニン類や渋みを感じさせる高濃度のタンニン、ワインの風味を決める成分などが豊富に含まれており、赤ワインの色や味わいに大きな影響を及ぼします。カベルネ・ソーヴィニヨンは青黒く厚い果皮をしており、果皮に含まれる成分をしっかり抽出させるため色濃くタンニンに満ち溢れた重厚な赤ワインとなります。一方でピノ・ノワールの場合は濃淡に幅があるものの、ボトルやグラスの向こうが透けて見える程度に透明感があり、青味を帯びたルビー色でタンニンも少ない軽やかな赤ワインが多くみられます。なかには通常より長く成分を抽出させて色濃く透明感のないパワフルなワインも造られてはいますが、カベルネ・ソーヴィニヨンほどの重厚さや強烈なタンニンは造り出せません。無理に引き出そうとするとぶどうの個性を損なうことになり、淹れすぎた紅茶のように渋みが突出し芳香を消し去りひどくバランスを欠いたものとなります。ひと昔前はタンニンがワインの寿命を延ばしてくれるという誤解があったようですが、今はピノ・ノワール独特の豊かで華やかな香りと複雑な味わいを損ねないようなるべく自然なバランスを求める生産者が多いようです。
ピノ・ノワールから造られる赤ワインの香りはプラムやチェリー、イチゴ、ラズベリー、赤スグリ、イチジクなど豊富な果実の香りに併せて、キャベツやすみれ、きのこ、スパイス、獣肉などの香りを持ちあわせています。
ピノ・ノワールは単一で赤ワインに使用されることが多いため、ボルドータイプの様にいくつかの品種で互いの長短を補い合うことはできませんが、単一であることで美しく完成された存在感が際立ちます。
赤ワイン以外では、フランスのシャンパーニュをはじめ世界各地のスパークリングワインに使用されていますが、シャルドネなどとブレンドして使用されることが多く、ピノ・ノワールはワインに骨格を与える役割を担います。シャンパーニュではごくわずかに単一品種で使用され、ブラン・ド・ノワールと表記されることもあり、シャンパーニュのなかではしっかりとしたボディを持っています。

世界のピノ・ノワール

ピノ・ノワールは黒ぶどう品種の中でも特に暑さや湿気に弱く冷涼な気候を好むため、栽培に適した土地が限られます。ヨーロッパを中心に今や世界各地で育てられていますが、栽培地の影響を受けやすく産地ごとに味わいが変化します。味わいの変化以外にも産地ごとに呼び名まで変わり、多くの同義別称(シノニム)があります。ここではいくつかの国と代表的なワインを紹介していきましょう。

ドイツ

ドイツはぶどう栽培地の中では最も北に位置する国であり、ピノ・ノワールの栽培においても北限に位置しています。リースリングから造られる白ワインが世界的に有名ですが、近年赤ワインの生産が増えてきました。赤ワイン用の品種の代表がピノ・ノワール(ドイツではシュペートブルグンダーという呼び名)で、ラインガウなどから上質なワインが産出されています。

【代表的なワイン】
産地:
ラインガウ地域/ヨハニスベルク地区/アスマンハウゼン村
ワイン名:
アスマンホイザー・ヘレンベルク
生産者:
アウグスト・ケセラー醸造所
特徴:
おそらくドイツ産で最も有名な赤ワイン。このアスマンハウゼン村はピノ・ノワールから造られる赤ワインの生産がとても盛んな村です。ドイツのワイン名はとても面白いものが多く「乙女の日時計」「黄金のしずく」「小さな階段」などの可愛らしい響きを持ったものから、このヘレンベルク「地獄山」なんていう恐ろしいものまであります。アウグスト・ケセラーが手掛ける地獄山はとてもエレガントで熟成に耐えられるしっかりとした骨格を持っており、ドイツの赤ワイン造りを牽引する存在といえるでしょう。
イタリア

イタリアではピノ・ネロと呼ばれ、トレンティーノ・アルト・アディジェ州などの北西部で栽培されています。赤ワインはボディのしっかりとした力強いタイプが多く、他にイタリア以外ではあまり見かけない白のスティルワインも少量産出しています。ピノ・ネロの白ワインは果皮を除いて醸造されるので色素やタンニンの影響を受けず、赤ワインとは異なった味わいの特性を感じることができるでしょう。単一で使用するほか、多品種とブレンドするスパークリングワイン(スプマンテ)の原料としても、シャルドネと並んで最良のぶどう品種です。

【代表的なワイン】
産地:
トレンティーノ・アルト・アディジェ州
ワイン名:
フェッラーリ・ロゼ
生産者:
フェッラーリ
特徴:
イタリアで評価の高いスパークリングワイン。フェッラーリのロゼは2/3近くがピノ・ノワール、そこにシャルドネをブレンドして造られます。製法はシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で、きめ細やかな泡立ちとベリー系の華やかな香りが印象的ですが、一般的なシャンパーニュのロゼと比べると手頃な価格で入手できるのもおすすめのポイント。シャルドネ由来の清涼感がありながら、ピノ・ノワールがふくよかさを与え、食前酒としてだけではなく食事と一緒に愉しむことができます。
ニュージーランド

ニュージーランドのワイン造りの歴史はまだそれほど長くありません。ソーヴィニヨン・ブランから造られる爽やかな白ワインが国際的に有名になったのは90年代になってからのことです。
現在はソーヴィニヨン・ブラン以外に、ピノ・ノワールの栽培も盛んです。ニュージーランドは北島と南島に大別されますが、南半球に位置するため南の方がより冷涼な気候となります。ピノ・ノワールの栽培は北島のなかでも南部のマーティンボロー、そして南島のセントラル・オタゴなどで行われています。果実味の豊かな赤ワインの生産が中心ですが、最近ではスパークリングワインの評価も高く生産数も増えてきました。

【代表的なワイン】
産地:
マーティンボロー
ワイン名:
アタ・ランギ ピノ・ノワール
生産者:
アタ・ランギ
特徴:
ニュージーランドにおけるピノ・ノワールの先駆者的な存在。国の地質調査からマーティンボローがぶどう栽培に適しているという結果を受け、80年代にアタ・ランギ・ワイナリーが設立されました。ぶどうはDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)のクローンが植えられていますが、ニュージーランド最古のクローンであり、今も樹齢を重ねながらより魅力的に成長し続けています。アタ・ランギの手掛けるピノ・ノワールは熟成に耐えられる凝縮感とパワーがありながらとてもエレガントで、熟成するごとに複雑味を増していきます。
「アタ・ランギ」とはニュージーランド先住民マオリ族の言葉で「新しい始まり」「夜明けの空」という意味。その名の通りアタ・ランギには新世界におけるピノ・ノワールの新しい可能性が詰め込まれています。
アメリカ

カリフォルニアのカレラ・ワイナリーについて少し触れてみたいと思います。コート・ドールの高貴なワインに魅せられ、自らの手で再現したいと考える生産者は世界中に多く存在しますが、若きジョシュ・ジェンセンもピノ・ノワールに魅了され、DRCでワイン造りを学んだ後にカリフォルニアでワイナリーを始めました。当時この地の栽培者や研究家は幾度もの失敗を経験し、すっかりピノ・ノワールを諦めていたので彼の無謀な挑戦も失敗に終わると考えられていました。しかし彼は努力の末にカリフォルニアで初めて上質な赤ワイン造りに成功したのです。現在ではカリフォルニアやオレゴンの寒冷地でピノ・ノワールの栽培は珍しいことではなくなりました。

【代表的なワイン】
産地:
カリフォルニア州
ワイン名:
ジェンセン/リード/セレック(それぞれ異なる単一畑)
生産者:
カレラ・ワイナリー
特徴:
ジョシュ・ジェンセンの情熱が詰まったワイン。ブルゴーニュと同じ石灰質の土壌を根気よく探し続け、1975年マウント・ハーランに設立されたワイナリー。それぞれ特性が異なる区画を分析しブロック分けする様はコート・ドールの区画分けに似ています。それぞれの区画にあった栽培方法を実践し、個性あるワインを産出しています。
「ジェンセン」は最初に手に入れた畑で、父の名にちなんで名づけられました。カレラ・ワイナリーの名を一躍有名にさせた畑でもあり、どの年でも安定した品質と評価されています。
「リード」はビジネスパートナーでもある親友の名前です。北向きの小さな畑から造られるワインは軽快でエレガント、熟成も早く若いうちから愉しめるワインです。
「セレック」はジェンセン氏にロマネ・コンティの素晴らしさを教えてくれたジョージ・セレック博士の名前を付けた畑です。カレラの単一畑の中では一番濃厚で熟成もゆっくりと進みますが、複雑でブルゴーニュのスタイルを感じさせます。
フランス

フランスでピノ・ノワールが栽培されている地方はシャンパーニュ、アルザス、ブルゴーニュ、ローヌ、ロワールなどです。さまざまな地方で栽培されていますが、この品種を語るうえで外すことのできない地域はブルゴーニュ地方です。ブルゴーニュ地方の中でもコート・ドールと呼ばれる南北に50キロほど延びた石灰や粘土質を含む水捌けの良い丘陵地帯からロマネ・コンティをはじめラ・ターシュ、リシュブール、ロマネ・サン・ヴィヴァン、グラン・エシェゾー、シャンベルタンなど極上の赤ワインが誕生します。ブルゴーニュの人たちは昔からこの恵まれた土地の個性を観察するために小さな区画に分けて比較し、いくつかの区画から素晴らしい個性が生まれる要因を分析し探し続けてきました。この小区画の細分化はとても良くできていて、ピノ・ノワールが土地の個性に味わいを大きく左右されるということを証明してくれます。感じたことのない方は畑ごとに表情を変える味わいの違いを飲み比べてみてください。
フランス、特にブルゴーニュにおいてテロワールという概念はぶどう畑やワインを語る際になくてはなりません。テロワールを日本語に訳すのはとても難しいのですが土壌、地質、気候、日照、水捌け、標高など、広い意味では植物が生育するうえで影響を与える全ての要素が含まれています。最高のテロワールは神が与えしものという神秘的で曖昧な説明ではとうてい理解できませんが、素晴らしい特級畑の持ち主たちは完璧なテロワールを維持するために肥料を散布し排水溝の整備をして畑の特性が崩れないように努めているのを聞くと、テロワールは得体のしれない神秘ではなく完全なる自然とも違うことを感じることでしょう。様々な自然環境がピノ・ノワールの栽培にこの上なく適していること、その美質を最大限に発揮できることがコート・ドールの恵まれしテロワールであり、ブルゴーニュの人たちはそれに敬意を払い大切に守っています。

【代表的なワイン】
産地:
ブルゴーニュ地方/コート・ド・ニュイ地区/ボーヌ・ロマネ村
ワイン名:
ロマネ・コンティ
生産者:
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ
特徴:
ロマネ・コンティはすでに最高の賛辞をもって世界中で語り尽くされており、新たな表現を見つけるのが困難なほどですが、ピノ・ノワールを語るうえでこのワインを外すことはできません。世界中でピノ・ノワールを使用し最高の赤ワインを造ろうとする時、お手本として目指す所はほとんどがロマネ・コンティなのです。ほどよく熟成を経たロマネ・コンティの味わいは構成するすべての要素に過不足が見当たらなく、例えるなら完全なる球体のように歪みなく美しいバランスを保っていると感じます。
ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティはロマネ・コンティ以外にもこのボーヌ・ロマネ村で素晴らしいワインをいくつも生みだしてきました。ラ・ターシュ、リシュブール、ロマネ・サン・ヴィヴァン、グラン・エシェゾー、エシェゾー。驚くことにそれらの畑は数百メートルしか離れていないにもかかわらず、それぞれが明らかに異なる特性を持っています。ブルゴーニュの人たちは、この違いを生む理由こそがテロワールであると言います。

ピノ・ノワールを体感する

ここでは特にピノ・ノワールから造られる赤ワインについて述べることとします。ワインの温度は寒い時期なら室温、暑い時期なら室温より少し冷やしましょう。目安は14℃から16℃が適温です。温度が高すぎると味わいのバランスが崩れてしまい、そのワインが目指した味わいを十分に感じることができません。
ワインを体感する時間は口に含む前から始まっています。それは極上なワインほど味覚以外の感覚にも訴えるものが多いからです。
まずはグラスに注がれた液体を眺めてみましょう。先述したようにピノ・ノワールから造られるワインの色調は様々な濃淡があるものの、グラスの向こう側が透けて見えるような透明感を有するものが大半です。若々しいピノ・ノワールは、淡いものなら青味がかったルビー色をしており、濃いものなら紫が強く宝石ならばガーネットに近くなります。熟成するに従い、朱色から橙色へとほんのり変化しながらさらに淡い色調になっていきます。
次にグラスの中に解き放たれた芳香を感じてください。ピノ・ノワールを愉しむのなら華やかに立ち込める香りを十分に感じられるよう、大きめのグラスが望ましいでしょう。若ければプラムやアンズ、イチゴ、チェリー、ラズベリー、レッドカラントなど赤い果実主体の瑞々しい香りに満ちています。より涼しい栽培地ではキャベツなどの葉野菜の香りが顔を覗かせ、暑い栽培地ではジャムのような香りが加わります。熟成するにつれプルーン、イチジク、スパイス、獣肉などの香りが複雑味を与えます。
口に含むと感覚が研ぎ澄まされワインの輪郭がより鮮明になっていきます。極上のワインなら視覚、嗅覚、味覚、身体中の感覚が悦びに包まれることでしょう。飲み込んだ後も続く長い余韻があるのなら、しばらくそれだけに身を委ねてみてはいかがでしょうか。

ピノ・ノワールと料理

ワインと料理の相性を悩まれた時、レストランならお店の方に相談できますが、ご自宅で作る時はメニューに迷うこともあるでしょう。選び方のひとつとして味わいや香りを同調させるという方法があります。軽いワインならあっさりした料理、重厚なワインなら味わいにコクのある料理。柑橘の香りにヴィネガーを使った料理、ベリー系の香りにベリーを使ったソースといった風に。
ピノ・ノワールに合わせて料理を作られるのなら、ブルゴーニュ地方の名物料理に挑戦してみてください。鶏肉の赤ワイン煮込み「コック・オー・ヴァン」や牛肉を赤ワインで煮込んだ「ブッフ・ブルギニヨン」はピノ・ノワールの赤ワインにとてもよく合います。軽快な赤ワインなら鶏、より複雑味のある赤ワインなら牛肉を選んでみてはいかがでしょう。ワイン煮込みは使用するワインによって色も味わいも変わりますので、是非ピノ・ノワールの赤ワインで煮込んでください。ボルドーのワイン煮込みほど重さがなく、ワインの繊細な味わいを引き立ててくれます。
極上の赤ワインならシンプルにチーズとバゲットを用意してワインを主役にするのも良いでしょう。若々しくフルーティーなワインならコンテやミモレット、ブリーなどが合います。熟成して複雑味を帯びてきているのならエポワスやモンドールのように旨味の強いウォッシュタイプのチーズがおすすめです。

ピノ・ノワールとは

ピノ・ノワールから造られるワインは、香り豊かでエレガントな味わいから、ワイン初心者でも親しみやすさがあるようです。しかしピノ・ノワールは単純な入門編だけのワインではありません。知るほどに興味は深まり、味わうほどに離れがたい感動をいくつも与えてくれるのがピノ・ノワールです。深く知るためにはこのぶどうが最適に生育できる環境を知り、魅力を引き立てる造りを熟知した生産者を選ぶことが必要です。コート・ドールは最も優れた栽培地域であることにいまだ変わりはありませんが、いつかその地図は塗り替えられるかもしれません。そしてピノ・ノワールの魅力に心を奪われた生産者は、世界各地でコート・ドールに匹敵する偉大なワインの再現を目指し、今日この瞬間も奮闘し続けています。その成果を味わう日はいつかきっと来るでしょう。変化と進化を知るには言葉よりも饒舌に一杯のワインが教えてくれるはずです。

(ソムリエ 矢渡 美幸)

関連の記事

TOP