ワインの引き出し

 

スペインワインの魅力とは?濃厚な赤と辛口のシェリーが人気

執筆者プロフィール

ソムリエ 大出 剛広

宴会サービス、ラ・ベル・エポックを経て、桃花林ソムリエ。
A.S.I. Sommelier Diploma(国際ソムリエ協会認定資格)を保有し、多数のソムリエコンクールに入賞経験を持つ。
特定の得意分野がないほど、ワインに関する幅広いジャンルに精通。

トレンドの変化はいつだって著しいもの。ワインの世界も同様です。少し前までは色が濃くて味わいも濃厚なものが世界を席巻していました。このトレンドは現在も完全に終わったわけではありませんが、この濃厚なワインのトレンドの一方で、フルーツのピュアリティを前面に押し出したワインが高い評価を得ています。
どちらかと言えばこちらのタイプが、現在のワイン界のメインストリームと言えるでしょう。人々の食事のライト化や地球の温暖化を考えれば、このトレンドは当然かもしれません。しかし、「そんなことは俺達には関係ない」と言わんばかりに今も変わらず濃厚なワインを造り続ける生産者がいます。頑固?保守的?いや、情熱的。熱い情熱の世界を代表する、スペインワインを紹介します。

スペインとワインの歴史

ワインイメージ画像

スペインにおけるワインの歴史は古く、紀元前1100年~紀元前550年頃が発祥と言われています。この頃のスペインは東海岸全域が古代ギリシャ人やフェニキア人たちによって支配されていて、彼らがこの地にぶどうの樹とワインの醸造技術をもたらしました。その後、紀元前100年頃にはワイン造りは地域産業として定着し、スペインのワインはヴェニスやジェノヴァの商人によってローマ帝国全域に流通するようになりました。しかし、ローマ帝国の衰退と、711年のイスラム教徒によるイベリア半島侵攻により、ほとんどのぶどう畑は破壊されてしまいました。この時期は、スペインワイン界における最大の暗黒時代だったと言えるかもしれません。それでも、出口のないトンネルはありません。悪いことの後には必ず良いことがやってくるものです。そう信じた人々の先頭にはキリスト教徒がいました。彼らの行った国土回復運動でぶどう畑は再興され、再びワインに陽が当たるようになりました。さらに大航海時代に入って、スペインのワインは世界に広く普及していったのです。
ワインを勉強している人なら誰もが必ず覚える虫がいます。フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)です。1860年代前半にフランスで発見されたこの虫は、ぶどう畑を丸ごと破壊してしまうため、ワインにとっては大きな脅威です。この虫の存在により、発見当初のヨーロッパのワイン産地は軒並み壊滅し、スペインも大きな被害を受けました。しかし、先に被害を受けていたフランス人生産者がスペインに活動の場を求めたため、スペインのワイン生産者は当時最先端の醸造技術を得ることになりました。一般的にフィロキセラの発生は、ワインにとっては冬の時代と言えますが、スペインのワインにとってはそれまでの垢抜けないワインから高品質なワインへの転換点であったとも言えます。その後、第二次世界大戦でワイン産業は大きく停滞したものの、戦後急激な発展を見せました。フィロキセラにしても、戦争にしても、どちらもワイン生産者にとって絶望的な状況だったことは、現代を生きる私たちにも容易に推測できます。それでも、諦めない人たちが必ずおり、そのような人がいればいつか立ち直ることができます。
ワインはぶどうから造られますが、造るのは人なのです。今日、ぶどう栽培面積は世界第一位、ワイン生産量は第三位となるまでスペインワインは発展を遂げました。

スペインワインの主要産地

リオハ

スペインのワインといえば、まず思い浮かぶのがリオハです。品質が優れているのはもちろんのこと、リオハの歴史によるところも大きいでしょう。というのも、先に述べたスペインに活躍の場を求めたフランス人たちがやって来たのは、リオハなのです。近年はスパークリングワインの生産に力を入れている生産者も多いですが、やはり王道はスパイシーな風味と濃厚さが特徴の赤ワイン。ぶどう品種はスペインを代表する赤ワイン品種、テンプラニーリョ。スペイン各地で栽培されていますが、リオハではタンニンの力強いワインを造り出します。

シェリー

シェリーは英語の呼び名で、スペイン語ではケレスと呼ばれています。ちなみにフランス語ではヘレスと呼ばれます。シェリーは通常のワインと違い、醸造過程でアルコールを添加する酒精強化ワインに分類されます。酒精強化ワインというと甘口のものがほとんどなので、シェリーのように辛口タイプも造られているのは非常に珍しいことです。辛口タイプのシェリーは「フィノ」や「マンサニージャ」などと呼ばれ、ここではこのタイプについて述べることにします。この世界的に有名で特別なワインを生産しているのは、スペイン南部のアンダルシア地方。ぶどうはアルバリサと呼ばれる白い土壌に植えられ、樽の中ではフロールと呼ばれる酵母と一緒に熟成されます。こうすることでナッツや干し草のような香りを持つ独特なワインが生まれるのです。

おすすめスペインワイン

Tio Pepe ティオペペ

あまりにも有名なので、「何を今さら」と思う方もいるかもしれません。しかし、品質の高さと安定感は抜群。香りにりんごやナッツのようなニュアンスがあるシェリーの代表格です。

Rioja Reserva Marques de Riscal リオハ レセルヴァ マルケス デ リスカル

長い熟成を経るとタバコの葉や紅茶のような複雑な香りを放ちます。溶け込んだタンニンとフルーツのバランスが素晴らしい逸品です。

スペインワインの魅力

赤ワインのイメージが強いスペインですが、実際には白ワインもスパークリングワインも造られており、特にスパークリングワインは日本でも高い人気を誇っています。それでも濃厚な赤ワインこそがスペインワインのアイデンティティであるように私は思います。ややもすると時代遅れと捉えられかねませんが、このスタイルこそがスペインのファッションなのです。この地特有のワインであるシェリーも、そのオンリーワンの存在がワインライフにアクセントを与えてくれます。多様なワインが生活を彩るとき、「ワインはやっぱり素晴らしい」という幸せな気持ちにさせてくれるものです。

ワインを愉しめるレストラン・バー

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