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シャンパーニュとは?スパークリングワインとの違いと醸造方法の特徴

執筆者プロフィール

シニアソムリエ 菅原 淳美

ダイニングカフェ カメリアを経て2015年より桃花林ソムリエ。
酒類全般に関する幅広い知識を持ち、利酒師、テキーラマエストロの資格も持つ。数々のソムリエコンクールに挑戦中の期待の若手ソムリエ。

細かい泡とエレガントな味わいで世界中のファンを魅了するシャンパーニュは、スパークリングワインの最高峰とされています。厳格な規準を満たして初めて造られるシャンパーニュは、飲む者を幸福の世界へと導いてくれるワインです。

シャンパーニュとスパークリングワインの違い

ワインイメージ画像
シャンパーニュとは

シャンパーニュはスパークリングワインのひとつで、フランスのシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインを指します。一般的にスパークリングワイン(発泡性ワイン)とは、3気圧以上のガス圧を持ったものであり、それ以下のガス圧のワインは弱発泡性ワインに区分されます。弱発泡性ワインにはフランスのペティヤン、ドイツのパールヴァイン、イタリアのフリザンテなどがあります。シャンパーニュ地方を除くフランス国内で造られ、シャンパーニュと同様の造り方で醸造されたクレマンというスパークリングワインもあります。フランス以外の国でもシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造るスパークリングワインがあり、スペインのカヴァやイタリアのフランチャコルタが代表的です。
フランスのシャンパーニュ地方で造られたスパークリングワインだけがシャンパーニュと名乗れるわけですが、シャンパーニュ地方には代表的な3つの地区があります。1つ目はモンターニュ・ド・ランス地区です。モンターニュ・ド・ランスは標高300mにも満たない森におおわれた丘で、ぶどう畑はその裾野を取り囲むように広がっています。エレガントでタイト感のあるピノ・ノワールが有名で、ボディーのしっかりとしたワインが生み出されます。2つ目はヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区で、マルヌ川沿いの両岸にぶどう畑が広がります。ピノ・ノワールとムニエを中心に造っており、丸みのあるフルーティーな味わいのワインが生産されます。3つ目の地区は、コート・デ・ブラン地区です。丘陵の東向き斜面にぶどう畑があり、「コート・デ・ブラン」(白い丘)という名のとおり、ほぼシャルドネだけが栽培されています。

シャンパーニュのぶどう品種

シャンパーニュ地方で栽培されるぶどうはピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネの3つが主要な品種です。一般的には、この3つの品種をブレンドして造られることが多いのですが、白ぶどうのシャルドネだけで造られたシャンパーニュを「ブラン・ド・ブラン」、黒ぶどうだけで造られたシャンパーニュを「ブラン・ド・ノワール」と呼びます。品種の規定のほか、アルコール度数、圧搾後の果汁量、出荷までの瓶内熟成期間にいたるまで、全生産工程に関して細かく定められた規定を順守しなければ、ラベルにシャンパーニュと表記することはできないのです。

シャンパーニュの造り方と生産形態

造り方の特徴

安定した品質を保つため、複数のワイン原酒をブレンドして造られることが多いのがシャンパーニュの特徴のひとつです。ワイン生産地の北限に位置するシャンパーニュ地方は、季節による気温変化が大きいため、単一年のぶどうだけでワインを造ると味にばらつきが出てしまうことが多いのです。そのため、ワインの原酒を毎年保存しておき、収穫年や畑の異なるワイン原酒をブレンドすることにより、品質を一定に保つ工夫をしています。
ラベルに年号表示のない「ノン・ヴィンテージ」のシャンパーニュは、数十種類のワイン原酒をブレンドするため、特定の年号表示がありません。一方、ヴィンテージが記載されているシャンパーニュは、気候の良い当たり年にだけ造られ、その年に収穫したぶどうを100%使用していることを示しています。この場合、瓶詰後最低3年の熟成義務がありますが、さらに長い期間の熟成を経てリリースされるシャンパーニュも多く、熟成感のあるエレガントな味わいを愉しむことができます。

醸造方法

シャンパーニュは瓶内二次発酵という方法で醸造されます。瓶内二次発酵とは、スティルワイン(非発泡性ワイン)を瓶に詰め、糖分と酵母を加えて密閉して瓶内で発酵を起こさせる方法です。
シャンパーニュの醸造方法は、まず、収穫されたぶどうにプレスラージュと呼ばれる圧搾を行います。ぶどうが傷まないように短時間で圧搾所に運び、圧搾機で黒ぶどうの皮の色が付かないように静かに搾ります。4,000kgのぶどうから2,050ℓ搾汁した後、二度目の搾汁で500ℓ搾り、合計2,550ℓを醸造に使用します。畑や品種ごとにタンクや樽で分けた後、10~15日ほどアルコール発酵をさせます。
次にアッサンブラージュ(調合)を行います。通常のワインと同じ方法で一次発酵させたワインに、複数のワイン原酒をブレンドし各メーカーのブランドイメージに沿って調合します。アッサンブラージュが終わったワインに酵母と1ℓあたり24gのショ糖を加え、瓶詰めして寝かせます。そうすることにより瓶の中で再びアルコール発酵が始まり、糖はアルコールと炭酸ガスに分解されます。瓶に閉じ込められた炭酸ガスは逃げ場がなくなり、ワインの中に溶け込んでいきます。6~8週間で二次発酵が終わって働き終えた酵母が滓となります。酵母はワインの中で寝かせることにより自己消化を起こし、ワインの中にアミノ酸が溶け込んでいきます。
発酵後は、ワインの滓を瓶口に集める作業を行います。これをルミュアージュ(動瓶)といいます。特殊な台を用いてボトルを毎日1/8回転ずつ回しながら徐々に倒立状態にしていきます。この作業を5~6週間、手作業で行います。瓶口に滓が溜まったらマイナス20℃の塩化カルシウム溶液に浸け、溜まった滓を凍らせて栓を外し、滓を外側に飛び出させます。その時にどうしても滓抜きによって失われた分が減ってしまうため、特別に調合されたワインに糖分を加えたリキュールを加え、味の調節を行います。
最後に、コルクを打って針金で固定し、ラベルを貼ればシャンパーニュの完成です。この細かな作業ひとつひとつがシャンパーニュのエレガントな味わいへと繋がるのです。

生産者(メゾン)の主な形態

シャンパーニュメゾンの主な形態は、大きく二つに分けられます。まずひとつ目は、レコルタン・マニピュラン(Récoltant-manipulant)です。ボトルには頭文字をとってR.M.と表記されます。R.M.は自社ぶどう栽培中心の生産者で、小規模ワイナリーが多いです。二つ目はネゴシアン・マニピュラン(Negociant- manipulant)といい、ボトルにはN.M.と表記され、必要なぶどうの一部もしくは全部を社外から購入する形態をとる生産者です。ラベルを見る際に、R.M.とN.M.の違いを知っていればどのタイプのメゾンで造られたのかが分かりますね。

おすすめのシャンパーニュと自宅での飲み方

BOLLINGER
  • 産地 : フランス・シャンパーニュ
  • 生産形態 : N.M.
  • 特徴 : 香ばしいカシューナッツ、りんごを丸かじりしたようなフレッシュさや蜜を感じるアロマが複雑な印象を与えます。ふくよかな果実味とトースト香の余韻が長く続きます。
  • 合わせたい料理 : 魚介類のカルパッチョや、生ハム、パルミジャーノたっぷりのサラダなどの前菜から香ばしくグリルした鶏肉まで、多種多様な料理とのマリアージュを叶える理想的な一本です。
  • 自宅で飲む際のおすすめの飲み方 : 大きめのワイングラスで6℃前後
POMMERY
  • 産地 : フランス・シャンパーニュ
  • 生産形態 : N.M.
  • 特徴 : イエローグリーンの泡が力強く立ち上がり、レモンやライムなどの柑橘類や洋梨などの果実味が広がり、シャープな酸とミネラルも感じられ、芳醇な印象です。
  • 合わせたい料理 : ヒラメのカルパッチョ、牡蛎、舌平目のムニエル、天ぷら
  • 自宅で飲む際のおすすめの飲み方 : シャープな形状のシャンパーニュグラスで4~5℃
KRUG
  • 産地 : フランス・シャンパーニュ
  • 生産形態 : N.M.
  • 特徴 : 独特な香ばしいブリオッシュやトースト、ナッツのアロマや、優しい蜂蜜などの芳醇な香りです。きめ細かいエレガントな泡と、アーモンドやヌガーの複雑なニュアンスが混じり合いながらもピュアさを感じさせる、最高のバランスを持っています。
  • 合わせたい料理 : 鴨肉のロースト、オマール海老のアメリケーヌソース
  • 自宅で飲む際のおすすめの飲み方 : 大きめのワイングラスで7~8℃

まとめ

シャンパーニュの魅力について、理解を深めて頂けたでしょうか?細かな規定と厳しい管理のもと造られるシャンパーニュは世界中の人々を幸福に導きます。グラスの中できらめく、エレガントで優美な泡を見つめているだけで、幸せな気持ちにさせてくれます。特別な日にお気に入りのシャンパーニュで乾杯できたら、愉しい時間がより一層愉しいものとなるでしょう。

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